老子小話 VOL 1045 (2020.11.21配信)

故用兵之法、無恃其不來、

恃吾有以待也

(孫子、九変篇第八)

 

故に用兵の法は、其の来たらざるを恃むこと無く、

吾れの以て待つ有ることを恃むなり。

 

今回の言葉は孫子から選びました。

コロナ感染者急増の折、政府や自治体からは、

「ふんどしを締め直せ」、「静かなマスク会食」、

5つの小」などの言葉が吐き出されています。

これらの言葉は全く意味をなしません。

お届けした兵法の言葉の方がよほど役立ちます。

「戦争の原則は、敵がやって来ないのをあてにするのではなく、

いつやって来てもよいような備えがあることをあてにすること」

敵はコロナウィルスです。

コロナと戦うには、コロナ感染者がやって来るという前提で

出来る限りの備えをするに尽きる。

会食をするときは、コロナ感染者と会食することを前提に

するということです。

できるなら会食しないのがベストであるのは当たり前。

客の対応は、無言で食事することになりますが、これでは

会食の意味がなく、オンライン会食のほうがましです。

店側の対応は、発熱者は入店拒否し、飛まつが臨席に

飛散しないよう遮蔽板をもうけるのが大前提。

さらにテーブルは都度アルコール消毒をする。

こういった店側のコロナ対策費用全額を国や地方が補償する

ことで、GOTOキャンペーンと安全対策が両立する。

しかし実際は、人の移動は活性化し安全対策は追いつかない。

孫子の言葉で言えば、いつ敵がやって来てもよいような備えが

ないことになる。

これでは感染が急増しても当たり前です。

しかし、急増とGOTOキャンペーンとの因果性の証拠(エビデンス)

がないとして対策を後回しにする。

要は、コロナ収束はワクチン待ちで、国民には移動制限をかけずに

感染して重症化したら、運がよければ助かるかもしれないと言って

いるようなものです。

個人的は、人ごみへの外出は控え、敵(感染者)との接触機会を

減らし、外出しなければいけない場合はマスクし、ソーシャル・

ディスタンスを保つしかないと考えます。

コロナ対策の備えのない場所に出かけマスクを外す行為は、武器なしに

戦場に行くようなものだ、孫子は教えます。

 

有無相生

 

 

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