老子小話 VOL 1044 (2020.11.14配信)

狐の頭になるよりは

獅子の尻尾になった方が良い

(タルムード)

 

今回の言葉はタルムードから選びました。

タルムードは5000年を生きのびたユダヤ人の

知恵がまとめられている本です。

きつねとライオンではライオンの方が強く威厳もある。

弱いグループのリーダーになるよりも、強いグループ

のしんがりになりなさいという。

リーダーになると、権力を持ち傲慢になる。

それを戒める言葉です。

むしろ強い組織の低い所にいて、謙虚な気持ちで

皆に仕え、皆から学んだほうがよい。

それを実践されたのが菅総理かもしれません。

自民党という強い政党において、たたき上げで

トップになったので、謙虚さと権力の使い方を

学んだものと思われます。

獅子の頭になられた今、老子第66章の言葉が

生きてくる。

「是以欲上民、必以言下之、欲先民、必以身後之。」

民の上に立ちたいならば、言葉を謙虚にして謙り、

民の先頭に立ちたいならば民の後についていく。

ユダヤの教えも老子の教えも、このように繋がって

いるところが面白いですね。

人間、権力志向はいずれ驕りが出てくる。

民の意思は、自分の身を社会の底辺に置かないと

決してわからない。

地位が高くなればなるほど民の声は捻じ曲げられる。

大昔から現代まで、人間の習性は不変のようです。

 

有無相生

 

 

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