老子小話 VOL 1042 (2020.10.31配信)

事を謀るは人に在り。

事を成すは天に在り。

(諸葛孔明)

 

あとふた月を残す限りとなりました。

今回は、三国志に出てくる諸葛孔明の言葉です。

宿敵を倒そうと火薬に火をつけようとしたら、

急に雨が降ってきて火が消えてしまったときの

言葉です。

「周到に準備して物事を謀るのは人間である。

しかし物事の成否を決めるのは天である。」

コロナで世の中が大きく揺れ動いている今ほど、

この言葉の重みはひしひしと感じられます。

いくら頑張ってみても上手くいかないとき、

最後は天に任せるしか在りません。

天に任せたあとの結果なら、それを受け入れる。

あれこれ悩んでみても仕方がない。

精神衛生的にみても、この考えは妥当です。

人間ができるのは、自分の予想のもとに結果が

上手くいくように考えて手を打つことです

しかし現実は予想外のことが起こります。

それによって思い通りに事が運ばない。

人智が及ばない領域は、天(自然)に任せるしかない。

寺社で祈願するのも、この流れです。

くよくよ考えてみても、結果は変らない。

もう次を考えるしかない。

国外を見てもいまだにロックダウンを繰り返す。

来年の五輪を考えても、感染者の入国は避けられない。

そうすると、出来るだけ防疫措置を講じ感染を最小限

に抑えて五輪開催するか、思い切って五輪中止する

しかない。

運を天に任せるかの判断がここでも必要になる。

人類の歴史そのものが人智と自然との闘いであり、

幸運が人類の継続をもたらした。

大事なのは、運を天に任せたあとは後ろを振り返らず

前を見る姿勢です。

未来を変えるのは今の自分ですから。

 

有無相生

 

 

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