老子小話 VOL 1037 (2020.09.26配信)

See nature.

And follow the way nature tells.

A child is trained all the time naturally.

(ルソー、「エミール」)

 

自然を見よ。

そして自然が教える道をたどっていけ。

自然は絶えず子供を鍛える。

 

今回はルソーの言葉を選びました。

フランス革命の基本思想を築いたルソーですが、その生き方は

破天荒でした。

著書「エミール」で、自然が教える教育論を説きました。

閉塞した日本社会を救うのは子供たちです。

英語教育とかプログラム教育とか言う前に、自然に学ぼうと

教えます。

自然の中で体を使うことで、生きる術を自然と身につける。

自然の破壊を知ることで、自然環境の大切さを学ぶ。

頭でっかちにならずに、体感で自然の恵みと厳しさを知る。

ルソーは、自然の中に入って、自然が教えてくれるものに

まず目を向けよという。

キャンプをしに森に入れば、水を確保し、火をおこすことを

学ぶ。

食事をする準備を一から始めなければならない。

テント張りは住居の確保である。

森に入れば、蜂や蚊に刺されたりもするわけで、生きることは

他の生き物と共生することだと教えられる。

「エミール」でルソーは、

「子供を不幸にする一番確実な方法は、いつでもなんでも

手に入れられるようにしてやることだ。」

ともいう。

家にいれば、水は水道から、火はレンジから、虫除けは網戸で

得ることができる。何の苦労も要らず手に入る。

それが当たり前に思う。

子供が学ばなくてはいけないのは、自然から育ってきた人間の

歴史を自分の体で体験することである。

自然によって鍛えられた子供は成長して、自然環境を保護する

行動を自然にとれるようになる。

思えば人類は自然災害の脅威から身を守るため、互いに助け合い

共同生活を始めた。

分業が進み生活環境が改善されるにつれて、自然の恩恵と厳しさ

を肌で感じる機会が薄れるようになった。

子供がまず学ばねばならないのは、自然が教える道をたどること。

生の原点に立ち戻ることが、生の出発となる。

 

有無相生

 

 

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