老子小話 VOL 1017 (2020.05.09配信)

雖忘乎故吾,吾有不忘者存。

(荘子、田子方篇第二十一)

 

故き吾れを忘ると雖も,

吾れ忘れざる者の存する有り。

 

今回は、荘子からお届けします。

荘子には孔子と弟子の問答が出てきます。

もちろん孔子は礼儀ではなく老荘的な見方

を語ります。

弟子は、孔子の外面的な形だけを捉えるが

外面的な形は常に変化していて、形になった

ものの中にはすでに本質は無くなっている。

孔子は最後にこの言葉をいう。

「時々刻々変化していく古き私の姿を見失っても、

見失うことのないもの、変化することのない本質

が私の中にある。」

ひとが成長していくにつれ、容貌も体型といった

外面、知識や考え方といった内面は次々と変化

していきますが、変化することのない本質が、

内にある。

それは、すべての変化が道のはたらきで動いて

いるという本質。

道は、気の流れによって万物すべての変化を

決めている。

気が集まり生を得、気が散じて死の床につく。

生命を受けている間に、次世代の生命を生む。

この繰り返しが、生命の歴史を作りました。

そうした中で、感染症が人類の歴史に大きな

試練を与えています。

特効薬がない場合、頼りになるのは自己の

免疫力だけです。

免疫力を落とすのが、ストレスや睡眠不足

など生活習慣の乱れです。

気の流れをスムーズに保つように深呼吸し

規則正しい生活リズムを心がけると、免疫力

が保てるでしょう。

 

有無相生

 

 

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