老子小話 VOL 1009 (2020.03.14配信)

伏久者、飛必高。

開先者、謝独早。

(菜根譚)

 

伏すこと久しきものは

飛ぶこと必ず高く、

開くこと先なるものは、

謝すること独り早し。

 

今回は久しぶりの菜根譚です。

じっと家に留まっていても

焦ることはないというお話です。

「鳥の中でも、長く伏せていて

力を養っていたものは、いったん

飛び上がると高く飛ぶ事ができる。

花の中でも、早く開花したものは、

他の花より早く散る。」

あぶらぜみの幼虫は6年地中に居て、

成虫としての地上生活はたったのひと月。

あのやかましい鳴き声は地中で蓄えた

活力の賜物です。

人間だって同じことです。

人生花開くのは最後の一瞬かも知れません。

それに向けてじっとエネルギーを蓄積する。

耐える期間にいろいろ挑戦して、結果で

得たものを次の挑戦に役立てる。

私は現在求職中で、求職サイトで仕事に

応募しています。

求職サイトにも温度差があり、登録しても

反応が全く無い所や、密に最新の候補先を

連絡してくれて親切に応対する所もある。

誠意あるビジネスは、たとえ不採用でも

メールでその旨の連絡で完結する所にある

と思いました。

それを実施する企業が意外と少ないのです。

こんな事をひと月ほど続けていますが、

企業を見る眼が徐々に養われているようです。

高く飛ぶには、自分の職能を高めることも

必要ですが、相手を見る眼を高めることも

必要で、それなりの時間と労力がかかります。

若者の離職率が高い理由は、未熟な職能以外に

企業を見る眼も養われていないことも一因の

ように思います。

早く開花した花は散るのも早い。

これも、いろんな苦節を経験して開花した花

はなかなか散らないというの裏返しです。

苦節から多くのことを学べます。

難なく開花してしまうと、障害を乗り越える

しぶとさが鍛えられない。

それが早く散る可能性を高めてしまう。

このように考えると、菜根譚の言葉は味わい

深いものになりますね。

 

最後に、3.11東北大震災で寸断された常磐線が

福島の富岡-浪江間で本日開通しました。

9年経った現在も福島原発除染は果てしなく続き、

常磐線開通で沿線の町の復興もようやく後押しを

得ました。

新型コロナの影響で3.11大震災追悼式は縮小され

ましたが、継続的な復興支援は今後も欠かせないと

感じました。

 

有無相生

 

 

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