老子小話 VOL 1007 (2020.02.29配信)

其安易持。其未兆易謀。

其脆易破。其微易散。

為之於未有。治之於未乱。

(老子、第六十四章)

 

其の安きは持し易く、

其の未だ兆さざるは謀り易く、

其の脆きは破り易く、

其の微なるは散らし易し。

之を未だ有らざるに為し、

之を未だ乱れざるに治む。

 

新型コロナの猛威は全国小中高の

休校を招くほどになっています。

新型コロナの感染源は中国武漢市と

言われていますが、昨年末の地元

医師の警告を無視したために、

地球規模の感染拡大に至っています。

この災害はいろいろなことを我々に

教えます。

今回お届けする老子の言葉は、その

一つの教えです。

「安定しているうちは維持しやすい。

兆しのあらわれないうちは手を打ちやすい。

もろいうちは溶かしやすい。

かすかなうちは消しやすい。

だから、大事に至らないうちに問題

を処理し、混乱にならないうちに

治めておく。」

コロナ感染拡大は、この教えを軽んじた

ために起こったとも言えます。

まあ、人間の歴史はこの過ちの連続です。

2000年以上も前の中国の賢人老子が

言っているということは、老子以前の

世の中が、大事に至って慌てる世の中

だったということでしょう。

これまた、2000年以上も前の中国の賢人

韓非子が、「蟻の穴から堤も崩れる」と言う。

ちょっとした油断が大惨事を引き起こす。

中国当局だって、まさかこんなに大流行

するとは思っていなかった。

このような非常時にはデマが飛び交う。

そのデマに流されて右往左往するのは

見ていて情けない。

われわれも兆しが現れてから慌てるのでは

なく、安定している普段から不測の事態に

備える心がけが欲しいと考えます。

幸い花粉症の私は、買いだめのお陰で、

マスク不足には対処できました。

 

有無相生

 

 

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