◆老子小話 VOL
1005 (2020.02.15配信)
勝ちに不思議の勝ちあり。
負けに不思議の負けなし。
(野村克也)
2月11日にノムさんが他界されました。
謹んで哀悼の意を捧げます。
名捕手として多大な業績を残しましたが、
そのスタートはテスト生としての入団です。
決して順風満帆のスタートではなかったが、
努力の積み重ねで8年連続本塁打王や
戦後初の三冠王を勝ち取っている。
もっとすごいのは、監督になってからの
人材育成で、チーム力強化の手腕です。
ノムさんが選手時代と監督時代の幾多の
試合から学んだ言葉を今回お届けします。
何が強いかっていうと負けないことです。
たとえ勝っても勝ちに酔わないことです。
最後の勝負は実力の拮抗の挙句、ほんの
少しの差で勝ちが転がり込む。
後から考えても、何故勝ったのか不思議
になるくらいです。
ノムさんは負けた方に歩み寄る。
負けっぱなしにせず、負けた原因を丹念
に潰していく。
負けたのを偶然にしておけば進歩はない。
捕手時代、打者の後ろでささやいて、
打者の集中力を弱める手段も採った。
負けないようにできることはすべてやる。
勝つのは、それらの一つが当たるだけ。
野球の試合だけでなく実社会においても、
勝とうとするのではなく、負けないように
することが大切なようです。
自分の心がくじけて負ける場合が結構あります。
最近の大坂選手のテニスなんかそんな感じです。
自分のことを月見草と呼んでいましたが、
自分にくじけず努力を惜しまなければ、
何事にも決して負けないでしょう。
有無相生