◆老子小話 VOL
1002 (2020.01.25配信)
いかなる政府が最上の政府か。
われわれ自身を治めることを
教える政府がそれだ。
(ゲーテ)
今回はゲーテの言葉をお届けします。
政治に期待することは多々あります。
経済格差を減らし、住みやすい生活環境
を作り、安定した老後を実現すること
だったりします。
しかしゲーテは、最上の政府は別の所に
あるといいます。
われわれを治めるのが政府だと普通
考えますが、ゲーテはわれわれを治める
のはわれわれ自身だと考える。
その仕組みを教える政府が最上といいます。
つまり、社会のあらゆる問題を解決しよう
とする意志をわれわれ自身が持てば、社会は
必ず変わって行くことを教える政府が最上
ということになります。
このことを政治家や官僚は認識していない。
国民の立場になって、国の仕組みを変えて
いこうとしない。
常に自分に非難や批判が及ばないように、
上から目線で仕組みを考える。
所得税や社会保険料は源泉徴収しますが、
控除や年金は申告しないと受けられない。
何のためのマイナンバーカードなのか?
国勢調査はしても、マイナンバーカードの
必要性を国民に問うことはしない。
民主主義も、われわれを治めるのはわれわれ
自身だと教えている。
われわれの生活をよくするための政府を
選ぶのは、われわれの投票である。
ただ、選ばれた政府が国民の立場になって
仕組みを変えていないので問題が山積する。
福沢諭吉先生は、
「国家の独立は国民の自主独立より」
と言われた。
国民の自主独立こそが、われわれ自身を治める
ということを意味する。
政府がこの原理を国民に教えて始めて最上の
政府になる。
今の世の中は、自主独立の精神が希薄になって
いるようです。
戦後民主主義は惰性に陥り、米国と中国依存の
政治経済と安全保障が浸透し、国家の独立が
曖昧になりつつある現状です。
ゲーテの言葉は、日本政府の指針となりえる
言葉だと思います。
有無相生
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