老子小話 VOL 1000 (2020.01.11配信)

上善若水。

水善利万物、而不争。

処衆人之所悪。

故幾於道。

(老子、第八章)

 

上善は水の若し。

水は善く万物を利してしかも争わず。

衆人の悪む所に処る。

故に道に幾し。

 

1が三つ続く今日この日に1000号に到達

できたことはひとえに皆様のお陰です。

今回も老子の言葉をお届けします。

「最高の善は水の働きのようである。

万物に恵みを与えるが競い合うことはない。

民が嫌う低い場所にとどまり、民を見守る。

だから道の働きに一番近い。」

地球の気候変動により、ベネチアが水没の危機

にさらされ、オーストラリアでは森林火災に

襲われている。

気候変動は、温暖化により水本来の流れが狂い、

洪水と干ばつが同時にあちらこちらで発生する。

水の働きは、目立たない所で生命を支えている。

それが狂うと生命を根底から脅かすようになる。

老子の言葉は、水の働きに学ぶことが最高の善

だという。

トランプ大統領やゴーンさんのように自画自賛

する人間が出世競争を勝ちあがるようですが、

会社や政府という組織を真に支えているのは、

目立たぬ所で、粛々と自分の働きを果たして

いる人間です。

彼らの働きを忘れた組織のトップはいずれ自分

の生命線を絶たれます。

道の働きは、なぜ自分は今生きているのか?と

自問したときに気づきます。

水の徳によって生かされていることに気づき、

自分もその徳を周りに伝えていくのが、最善の

生き方だと老子は教えます。

 

有無相生

 

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