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「いやァ、あたし、オマルでなんかできません。お願いですから、もうこれ以上いじめないでェ。あたしィ……、もう、もゥ……」 美咲の抗議の声は、自分でも驚くほど弱々しかった。胡座縛りにされて股間を閉じることができないため、オシッコをこらえる力が急に衰えたような気がするのだった。お腹に力を入れると、そのままほとばしり出てしまいそうな心細い状態なのである。 「よし、よし、泣かなくてもいいんだよぅ。そんなに嫌だったら無理にオマルを使う必要なんかないんだからねぇ。初枝や、白鳥さんをお部屋の隅にかたしておくれ。どうやら美咲ちゃんには、まだオマルが早いようだからねぇ……」 スリップの中に手を差し込んで、膀胱の張りぐあいを探っていた老人が、崩壊の時が近いのを知って次の仕度を命じた。 「かしこまりました。では、さっそくムツキのご用意を……」 「手がかかって大変じゃろうけど、そうしておくれぇ。排泄の躾は、あせってもなかなか効果があがらないものだからねぇ。よし、よし、うちの甘えん坊さんには、特別にオマルを許して上げようねぇ。美咲ちゃんは、まだムツキの方が似合う女の子だものねぇ」 老人は、膝の上に抱いた孫娘の頬を指先でつつきながら、楽しそうに笑った。しかし、淫らな保護者たちが交わす話の中に『ムツキ』などという言葉が出てきても、思春期の少女には、それがオシメのことだとは思いもよらない様子である。オマルを許してもらえたのだから、きっとお手洗いに行かせてくれるはずと、一途に信じているのだった。 「手が掛かればかかるほど、お嬢様が本当の赤ん坊になってゆくわけでございますから、その方が初枝もうれしゅうございますぅ。それに、まもなく梅雨に入りますから、もう少し暖かくなるまでお待ちなされた方が、お嬢様のお身体にもよろしいかと思います。急いでムツキをお外しなさいましても、梅雨冷えの時はオシッコが近くなって、どうしてもお粗相をしがちでございますから……」 老人の性癖をよく心得ている女中は、美咲を排泄の自由がきかない女の子であるかのように扱って、奇妙な会話を楽しんでいる。二人は、わざとムツキなどという古い言葉を使いながら、恥ずかしがり屋の女の子がいつオシメのことに気づくか、なぞかけ遊びをしているような気持ちで見守っているのだった。 膝の上でキョトンとしているうぶな姿が、老人の加虐心と保護欲を心地よくくすぐった。 「おぅ、おぅ、そうじゃったねぇ。ここのところぽかぽか陽気が続いていたけど、そろそろ梅雨が本格化するころだものねぇ。ところで雨が続いても、替えのムツキの方は、大丈夫かぇ。十四にもなれば、もうオシッコの量が大人と変わらないはずだから、一度に当てる枚数を多めにしてあげないといけないじゃろうしねぇ。かといって、可愛い赤ん坊に紙おむつばかり当てるのも、愛情が伝わらないようで可哀想だしねぇ……」 紙おむつという言葉に、美咲はギクリとした。『ムツキ』って、もしかしてェ……。庭に干されていた花柄のオシメが、脳裏をよぎった。まさかこの人たちは、オシメを……。ウソだわぁ、そんなバカげたことをするはずがないわァ……。 しかし、淡い希望を打ち砕くように、女中の言葉が追い打ちをかけた。 「はい、お嬢様には、お腰に二枚、お股に五枚の七枚組のお支度で、もう二十組ほどできあがってございます。オシメカバーの方も十枚ほど用意してございますから、雨が続いてもお洗濯の方は、当面間に合うかと思います。 ところで、今から当てるカバーは、どれがよろしゅうございましょうか」 初枝が整理カゴの中から、オシメカバーを三枚ほど取り出して、老人に手渡した。 「おぅ、おぅ、とっても可愛いオシメカバーだねぇ。美咲ちゃんは、どのカバーが好きかなぁ。ウサギさんのついたピンクのオシメカバーがいいかなぁ。それとも黄色いヒマワリのお花の方が似合うかなぁ。赤いイチゴの模様も可愛いしねぇ」 「……オシメカバーって、まッ、まさかァ……」 子供に洋服を買え与えるときのように、一枚、いちまい股間に当てて選ぶ姿に、美咲は愕然とした。手足を縛ったまま、お手洗いにもいかせずにオシメを当てるだなんて、そんな非道なことが許されていいはずがない。病気で絶対安静が必要なわけでもないのに、オシメをさせられるなんて、そんな恥ずかしいことは死んでも受け入れることができない。 しかし、老人が手に取って見比べているのは、ショート・パンツやブルマァなどではないのだ。縦に並んだ二列のホックは、まぎれもなく前開きのオシメカバーである。学童用の少し大きなオシメカバーは、誰のために用意されたものかもはや明らかであった。 「美咲ちゃんは、さっきお爺ちゃんと会う前に、縁側からお庭をのぞいていたねぇ。物干し台に、オシメやオシメカバーが、いっぱい干してあるのが見えただろう……」 「……!……」 両手を重ねた小さな背中が、ギクリと動いた。 「ほうらお庭を見てごらん。応接間より、此処からの方が、もっと良く見えるだろぅ」 「あッ!」 老人の指さす方向に視線を移した少女が、あわててうつむいた。縁側のガラス戸越しに、オシメの満艦飾がはっきりと見えたのである。 「おや、おや、どうしたのぅ、美咲ちゃん。オシメを見て恥ずかしがるなんて、おかしいよぅ。一人でおトイレに行けない子は、幾つになってもオシメが必要なんだからねぇ。ひょっとして、美咲ちゃんもオシメに興味があるのかなぁ」 「……!……」 うつむいたまま、弱々しく頭を振った。 「隠さなくてもいいんだよぅ。お爺ちゃんはねぇ、美咲ちゃんが紅茶を飲んだりケーキを食べたりする様子をそっと覗いていたから、お部屋の中で何をしていたかみんな知っているんだよぅ。ケーキを食べ終わっても誰も来ないから、たいくつで縁側から金魚のお池を見ていただろぅ。そのとき、庭のすみにある物干し台を興味深そうに見つめていた女の子がいたものねぇ。少し大きいオシメだから、赤ちゃん用のものでないことは、すぐに気付いたと思うけど、いったい誰が使うオシメだと思ったのぅ。お爺ちゃんのだと思ったぁ?それとも、美智子ちゃん?」 「……ごめんなさいィ……」 「別にあやまることなんか、ないんだよぅ。美咲ちゃんがは、何にも悪いことをしたわけじゃぁないんだからねぇ……で、誰が使うオシメだと思ったんだぇ」 「……わかりません……」 手も足も縛られて胡座の中に取り込まれている少女が、何度も促され、消え入るような声でやっと答えた。 「ふッ、ふッ、ふぅ、でも、今ならもうわかるねぇ。お爺ちゃんは、こんなに元気だし、美智子ちゃんという子もいないんだからねぇ……」 「……ゆッ、ゆるしてェ……」 追いつめられ、逃げ場を失った少女が、赦しを乞うようにイヤイヤをした。 「おぅ、おぅ、美咲ちゃんは、お利口さんだから、もうわかったんだねぇ。そうだよぅ、あのオシメやオシメカバーは、お爺ちゃんの赤ちゃんのために用意したものなんだよぅ。女の子用だから花柄が多くて、とっても可愛かっただろう。オシメがずいぶん大きくビックリしたかも知れないけど、赤ちゃんに成ってくれる子は十四歳になるから、大人用の仕立にしてあるんだよぅ。中学三年生にもなると、腰からお尻にかけてだいぶ丸みがついてくるからねぇ……」 「そんなとこ触っちゃイヤぁ」 大きな手のひらでお尻をなでられて、赤ちゃんにされかかっている少女が、辛そうに身体をくねらせた。はちきれんばかりの膀胱を抱え、必死の思いで崩壊を押し止めている様子がありありとうかがわれた。 「おう、おう、もうオシッコが我慢できなくなったのかぇ。さぁ、急いでオシメカバーを選ぼうねぇ。あんまりオシャベリをしていて、このままお洩らししちゃったら大変だものねぇ。美咲ちゃんの一番好きなオシメカバーを当ててあげるから、このなかから選んでごらん」 老人が、ウキウキした調子でたずねた。こうして手も足も縛ってしまえば、どんなに泣き騒ごうと、もう絶対に逃げ出すことはできないのだ。たっぷりと時間をかけて、望むままに幼児教育をほどこすことができるのである。美咲からの手紙が届くたびに膨らみ続けた妄想の世界が、ようやく現実のものになろうとしていた。 「あたしィ、そんなもの必要ありません……」 「オシメカバーがなかったら、オシメを当てられないだろぅ……ははぁ、もしかして美咲ちゃんが子供の頃は、もう紙おむつを使っていたのかなぁ。テープで止めるパンツタイプの紙おむつだとオシメカバーなんか必要ないものねぇ。でもオシメは、布に限るよう。一日中オシメを当てなきゃならない子には、布オシメが一番適しているんだからねぇ」 「あたしは、赤ちゃんなんかじゃありません。オシメをされるのは、嫌ぁ」 「ダメ、ダメ。このままオシメをしないでいたら、お爺ちゃんのお膝の上でお洩らしをしてしまうだろぅ」 「だからァ、だから、これを解いてェ。そしてお願い、早くおトイレに行かせてェ……もぅ、我慢できなくなっちゃいそゥゥ……」 「おや、おや、ついさっきお爺ちゃんと約束したばかりだろぅ。お手々やアンヨを解いてあげるのは、美咲ちゃんが良い子にできたときだってぇ……今のように駄々をこねていたら、いつまでたってもナイナイしたままだよぅ……。 さぁ、良い子になって、早くオシメカバーを選んでしまおぅ。美咲ちゃんの大好きな紙おむつもちゃんと用意してあるけど、ふだんは、布のオシメにしよぅ。紙おむつは、小児科のお医者様に行ったり遊園地へ遊びに行ったりするお出かけのときに当ててあげるからねぇ……。 よし、よし、初めてだとどれが良いかなかなかわからないだろうから、お爺ちゃんが選んであげようねぇ。ふむ、ふむぅ……美咲ちゃんの着ているブラウスが水色だから、ヒマワリのオシメカバーが似合うようだねぇ」 老人は何度も迷いながら、あざやかなスカイ・ブルーの地に、小さなヒマワリの花がたくさんプリンとされたオシメカバーに決めた。青空にはえるヒマワリ畑をイメージしたオシメカバーを受け取った女中が、ホックを外して見せびらかすように畳の上に拡げていく。 「ほうら、今度は美咲ちゃんのオシメが出てきたぞぅ。何度も水洗いをして陰干ししたものだから、ふかふかでとっても肌触りがいいんだよぅ……ねぇ、初枝やぁ」 「はぃ、木綿のオシメは、何度も洗濯をくり返した物でないと、どうしても肌になじみませんものねぇ。今お庭に干してあるオシメも、二週間ほど前に縫い上げたものなんですのよぅ……お嬢様からお写真が送られてきたときに、旦那様は、それはそれはとってもお気に召されて、一日中オシメを当てて可愛がるっておっしゃるものですから、初枝が大急ぎでお支度をしましたのよぅ」 ていねいにたたまれたオシメの束を取りだした女中が、カバーの上に手際よく重ねていく。白地に桃色の折れ線が無数に走るネルの布地は、紙おむつが普及した今ではもうほとんど見かけることのなくなった、古典的な麻の葉模様の輪型オシメである。麻の葉には、幼児を禍から守る力があると言い伝えられているが、ていねいに手縫いされたオシメは、老人の愛情のあらわれであった。 学習雑誌にペンフレンド募集の投稿をした老人のもとには、大勢の少女から手紙が届いたのだが、美咲はその中から選び抜かれた一番好みの女の子なのである。文通が始まってまもなく半年になるのだが、その間老人は、誕生する愛児のために襁褓を準備する若い妊婦のように、育児用品を一つひとつ吟味しながらとりそろえていったのである。屈折してはいたが、ようやく手に入れた赤ん坊を心の底から愛しているのだった。 長さが一メートル近くもある大きなオシメが二枚横に敷かれ、両端が三角に折りあげられていく。 「ゆるしてェ!オシメだなんて、そんな恥ずかしいことはしないでぇ」 目の前で、オシメカバーに大きなオシメが重ねられていくのを見せつけられて、美咲は今にも泣き出しそうな顔で哀願した。股周りや腰の部分に入れられた裾ゴムのため、拡げられたオシメカバーに独特のシワがより、不気味な生き物のようにうねっているのだ。赤ちゃん用の小さくて可愛い股オムツや、コンパクトにたたまれた紙おむつしか目にしたことのない少女にとって、学童用の大きなオシメカバーは、妙に淫らでおぞましい物に思えたのだった。 「美咲ちゃんは、赤ちゃんになってしまったんだから、オシメをしてもちっとも恥ずかしいことなんかないんだよぅ。でも、どうしてもオシメが嫌だったら、さっきのオマルを貸してあげてもいいんだけどねぇ。ちょっぴりお姉さんになって、オシメ外しの練習をしてみるかぇ。お爺ちゃんの目の前で上手にシーシーができたら、オシメを赦してあげるよぅ。美咲ちゃんは、どっちの方が好きかなぁ」 「いや、いやァ、どっちも嫌ぁ。お願いだから、お手洗いに行かせてェ」 膝の上の赤ん坊との楽しいやり取りの間に、今度は縦に折ったオシメが五枚も重ねられ、オシメカバーの上に丁字形に置かれた。大人のサイズに仕立てられているせいであろうか。女の子用に、お尻に当たる方が厚くなるように折った股当てが、妙に艶めかしく見えた。 「さぁ、支度ができたから、約束どおりオシッコをさせてあげるよぅ。お爺ちゃんがオシメを当ててあげるから、パンツをぬぎぬぎしようねぇ」 赤ら顔の老人は、ゆっくりと少女の腰に手をはわせながら、可愛い下着のゴムをネチネチとなぞり始めた。興奮のあまり、指先が震えている。 「ゆるしてェ、それだけは、しないでェ」 ゴムを越えてイヤらしい指が侵入してきた。縛られたまま最後の物まで奪われる恐怖に、清純な少女がなよなよと身体を揺すって抵抗した。はちきれそうな膀胱をかかえて、身動きすらままならないのであろう。可愛い抗いが幼児のように感じられ、赤ちゃんごっこの好きな老人の頬をゆるませた。 胡座の中でモコモコ動く思春期の臀部に刺激されて、久々にたかぶりを覚えた老人が、興奮を静めるように大きく深呼吸をした。 「よし、よし、いいんだよぅ。パンツを脱ぐのがそんなに嫌だったら、無理に脱がなくてもぅ……パンツの上からだってオシメは当てられるんだからねぇ。ヒッ、ヒッ、ヒィ」 下着のゴムを引っ張ってからかうようにパチパチさせていたが、老人の指はそれ以上先に進もうとはしなかった。さんざん手間暇をかけて苦労の末に手に入れた孫娘は、後ろ手に縛られて赤子も同然の無力な姿で抱かれているのだ。どんなに抵抗しようと下着を脱がすことなど雑作もないことなのだが、楽しみは後に延ばせばのばすほど一層悦びが増すというものである。 最初から脱がすつもりであれば、スカートやストッキングといっしょに胡座縛りにする前に抜き取ってしまうのだが、羞恥の部分をかくす最後の布片を守ろうとするいたいけな姿が見たくて、わざと脅しているのだった。 「いやぁ、嫌だったらァ。赤ちゃんみたいな恥ずかしいことは、ゆるしてェ」 下着を許されても、陵辱がやんだわけではない。オシメを重ねたヒマワリのオシメカバーを捧げ持つようにして近づいてくる女中の姿に、絶望の叫びがあがった。嫌がり、抵抗すればするほど老人の加虐心をあおることに、十四歳の少女は、まったく気付いていない。 「ヨチ、ヨチ、美咲ちゃんは、もうオシッコをがまんできないんだねぇ。すぐに、オシメを当ててあげようねぇ。いい子だからもう少しお尻をもちあげてごらん」 老人は、美咲の大腿に手をかけて持ち上げながら、からかうように言った。彼女の股間は、縛めによって閉じることができないのだ。助力がなくても簡単にオシメをあてがうことができるのに、わざと同意を求めて屈辱感をあおりたてているのだった。 お尻の下にやわらかなネルのオシメを差し込まれても、美咲にできることは赤ん坊のようにかぶりを振ってイヤイヤを繰り返すことだけであった。 「やめてェ、恥ずかしいことは、嫌よゥ」 ふかふかの布オシメでお尻を包まれていく感触に、羞恥の悲鳴が上がった。淫らな保護者たちは、大きな赤ちゃんの育児に慣れているのであろう。暴れる少女をあしらいながら、膝の上に抱いたまま器用にオシメを当てていく。胡座縛りにされて閉じることのできない股間に、大人のサイズに縫い上げられたオシメが通され、パンティを包み隠していく。初枝が、なれた手付きでオシメの縁を折り込みながら、プラスチックのカバーが付いたオシメ用の安全ピンで両端を固定した。 清純な少女の白い大腿に巻き付く桃色のオシメが、病的に異常で猟奇の美に彩られていた。 「よチ、よチ、泣いたりしたらいけないよう。恥ずかちぃオシメは、こうしてオシメカバーでくるんでしまおうねぇ。赤ちゃん用の可愛いカバーだから、美咲ちゃんにぴったりだよぅ」 老人は、涙声で抗う少女の頭をなでながら、屈辱感を増幅させるようにからかいの言葉をかけ続けている。 マジックテープになっているオシメカバーの中ハネが左右から閉じ合わせられ、前当てが胡座縛りの股間に通された。 「ヒッ!」 大腿にまといつく、ぞっとするような冷たい感触に、美咲は小さな悲鳴をあげて身を振るわせた。大きな赤ん坊のために用意されたオシメカバーは、表面だけは愛らしいベビー柄の布地で作られていたが、内側にはヌメヌメとした生ゴムが貼られていたのだった。直接肌に触れる部分はわずかなのだが、腿の付け根をナメクジがはい回るような不気味な感触は、美咲の心にオシメに対する嫌悪感を強烈に植え付けていった。 水色のブラウスとコーディネートされたような可愛いヒマワリのオシメカバーも、それを強制的に当てられる少女にとっては、恐ろしい拷問具以外のなにものでもない。プチプチと屈辱的な音を立ててホックがかけられ、はみ出したオシメの端を内に押し込むと、お臍の下で腰紐がちょこんと結ばれた。 「おぅ、おぅ、腰回りも股周りもピッタリだぁ。初枝の言うとおり、お尻の膨らみを少し大きめにとっておいて良かったねぇ。写真で見る美咲ちゃんは、まだお乳が小さくて子供こどもしていたけど、こうして見ると、腰からお尻にかけてずいぶん丸みを帯びてきているんだねぇ」 オシメカバーの上から、マシュマロのようなお尻をなでてみたり、裾ゴムに指を差し込んで締め付け具合を確かめたりしていた老人が、満足げに言った。 「はぃ、美咲お嬢様は、少し晩生でいらっしゃいますが、それでも中学生くらいになりますと、もうだいぶ大人びてまいりますからぁ。でも、真ん中のサイズがピッタリでようございましたわねぇ。大きめにお作りされたカバーは、お洩しの多いときやおネムのときに、小さめの方は、オシッコが言えるようになって、オシメの枚数を少なくする頃にお当てすれば、ちょうどよろしいかと存じますが……」 残りのオシメカバーを整理カゴにしまいながら、あいづちをうつ初枝の口調は、もう美咲が赤ちゃんのままいつまでもここで暮らすかのようである。籐製の大きな整理カゴには、オシメを替えるときに使用するタオルやベビーパウダーの缶といっしょに、浣腸器や肛門用体温計が入っていた。思春期の赤ちゃんサイズに統一された本格的な育児用品は、とても一時のお遊び用として準備されたものには見えなかった。くすぐり用の太い筆や玉子型のバイブレーターは、駄々をこねる赤ん坊をあやすための道具なのであろうか。気配りの行き届いた整理カゴの豊富な品揃えは、ずっと前から赤ちゃんがいて、そしてこれからもオシメの必要な少女が居続けることを想定しているように思われた。 「オシメカバーがピッタリで良かったねぇ、美咲ちゃん。身長やヒップのサイズは教えてもらったけれど、いくらお手紙でも太腿のサイズまで聞くわけにはいかないものねぇ。お爺ちゃんはねぇ、美咲ちゃんの身体に合わないと大変だと思って、三種類のサイズでオシメカバーを作ったんだよぅ。でも、今度はサイズがわかったから、もう少し買い足しておこうねぇ。美咲ちゃんのオシメカバーは、赤ちゃん用のものを大人のサイズで作らなければならないから、特別注文になるんだよぅ」 聞きたくないと言わんばかりに頭をふる少女の耳元で、老人はネチネチと卑わいな言葉を吐き続けている。紅い兵児帯で後ろ手に縛られている美咲は、自分の耳をふさぐ自由すら許されていないのだった。チクチク痛み始めた下腹部を、ぞっとするような優しさをもった手になでられて思わず洩らしそうになり、あわててお尻をすぼめた。 美咲が当てられているゴム引きの真新しいオシメカバーは、ホックの形や腰紐の取り付けなどが市販のものに比べて妙に古めかしく、まるで戦前に用いられた製品を模して作られたようなデザインである。 オシメカバーの手触りを楽しむ老人は、胡座の中に抱き取られて泣き騒ぐ少女の姿に、幼かった頃の自分を見いだしているのだった。兄弟が多く母親にかまってもらった思い出があまりない自分と違って、この子は、たった一人の孫娘なのである。たっぷりと愛情を注ぎ、過保護に思えるほど手をかけて身の回りの世話をしてあげたい……。老人は、美咲に子供の頃の自分の分までも、幸せになって欲しかったのである。年老いた男には、もう戻ることのできない世界だったが、まだ子供の面影を色濃く残すこの子なら、思い出の世界に住まわせることができる。独りよがりの愛情ではあったが、美咲を溺愛しているのだった。 |
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