毒物や薬剤についての大事典(をめざす)ページ
さて、このページについての意見はまあそれほど届かないんですが、こういうページですから賛否両論あるのは予想がつくとおり。で、ネット上でこういう情報を公開することについての意見を募集したいと思います。これは他のメールと区分したいのでページ一番下のメールフォームから送って下さい。ちなみに送られてきたメールは全部その要点を抜粋して下に載せます。どんどん送って下さい。(サーバが死なない程度に。)
>このHPの本来の目的は何ですか。 天文学や天気や香りの部屋など楽しいものも多い反面、 悪用されると困るのではと思うページもありますね。 悪用するしないは個人の判断や道徳観に有るでしょうが、 これらが高い人ばかりは居ないですよね。
>かわいいHPですね。 薬物もすごく調べてあって、為になりました。
>とっても面白いです。 僕としては薬物辞典をもっと充実してほしいです。
>薬物!ねこねこ辞典と香水陣見てます。 毒物マニア(笑)な俺はケッコーうはうはです。 出来ることなら、もっと充実してほしいなぁ、 なんて思ちゃったりしちゃってます。
>現在天然物化学の研究を行っているので,一通りは見たことのある 化合物ばかりでしたが,大変面白かったです.
>一般の人々に安易に毒劇物の情報を与えることは、 興味本位の危険ないたずらや事故を招きかねません。 冒頭に悪用しないように言っているので そのことは承知していると思います。 この部分の削除をせつに望みます。
>正しく自然科学を教えるということに関しての、化学物質に対する正しい認識と倫理観を指導するに当たっての良い資料という形でとらえさせてもらっています。悪用の可能性というより自分の身を守るという見地から必要な情報だと思います。情報云々というよりも、その人個人の倫理観の問題ではないでしょうか。(ヒ素事件然り)ホームページからの情報よりもTVやラジオからの情報のほうが今のところ影響力は大きいと思います。
>現在、身の周りは、様々な化学物質」に囲まれ、生活している。その中で、どのような物質が人体に悪影響をおよぼすか、など一般の人々も知るべきだと思う。
>薬物のHPはあってもいいと思います。今、私たちの周りには色々な薬物が出回っていますから、もし、危険な薬物が隣においてあっても薬物の知識を持たない人たちにはその薬物の毒性や対処法がわからない状態です。そんな事を少しでも減らすには、化学や薬物に興味を持った人がほしがる情報(安全なものから毒性のあるもの)を与え、緊急における対処身につけていたほうが被害の拡大を押さえることなると思います。
>薬物!ねこねこ大辞典は続けてほしい。なぜなら、日本は(外国もそうかも知れないけど)一般人と、専門の人との知識の差が開きすぎていると思うから。ほんの少しの知識で回避出来るトラブルがあるかもしれない。知識さえあればいい、というわけではないが、せめてマスコミに振り回されないだけの、正しい知識を持っていた方がいいと僕は思う。
>こういうホームページは続けたほうがよいと思う。なぜなら、1.「毒物を知っているから犯罪が起こる」のではなくて、「毒物を知っているから犯罪が防げる」と思うからである。2.毒物についての知識を持てば、毒を用いた犯罪が起きても十分な対処(玄人、素人は問わず)ができるはずである。3.『一般の人が見て云々』というのは、気にする必要性は全くないと思う。それは、入手、精製が、できないから悪用したくてもできないはずだからである。
>結論からいうと、「僕だったらやめる」です。でも勘違いして欲しくないのはこういった記事の扱いに問題があるというわけではないということ。危険なことだからといって臭いモノには蓋的なことをするのは本当の意味での解決にはならないからね。それにしても「薬物!ねこねこ大事典」は少々刺激的ではないだろうか?これを見る人は「悪用しない人」と「悪用しようとしている人」だけではなく「その中間の人」もいるのではないだろうか?すなわち、この情報が毒物の悪用のきっかけを与えてしまうことを懸念しているんだ。
>このようなページが存在することが害になるか?という疑問に対しては、私はNOだと思います。むしろ一般の人々に見て欲しいと思います。 構造式を与えたところで、合成など出来ないと思います。やはり実験にはそれなりの知識と経験が要りますから。私は、一般の人は、薬品や毒に関して、あまりに無関心であると思います。無知ゆえに発生する事故などもあります。塩素系と酸性の洗剤の混合などは典型だと思います。ですから毒に関しては、多少の知識が有っても良いと思うのです。
>私含む一般の人は、毒物についての正しい知識どころか 認識或いは把握すらできないのが現状。認識してないなら、知る・防衛する以前の問題ですからね。そう云う意味であり難いです。
>私の意見としては、このHP上で公開されているレベルの内容でしたら全く問題ないと思います。最も自然科学の知識というものは、限られた人達の特権であってはならないものであり、知識を求めている人達には誰にでも与えられるものでなくてはなりません。知識を持たなければ、悪用される心配もないという考え方は、一般の人々は無知であれば良い、あるいは少数の専門家たちの言うことを一般の人々は鵜呑みにするだけで余計なことは考えなくても良いと言っているようなもので、むしろそのほうが危険な考え方であると思います。HP上で公開することが問題となる情報があるとすれば、それは単なる知識ではなく、犯罪を誘発するような思想ではないでしょうか。
薬物ページの本来の目的は化学または化学物質という「力」の有用性の裏にある 危険性を知ってもらうことにあります。 (有用性は薬やビタミン、危険性はその副作用や毒物で示しているわけです。)
もともとこのページを作成することを思い至ったのは、化学および薬学系の学生が あまりに自分の作っているものの危険性について無知であるということを知ったから です。
例えばアンフェタミンのところにかいてありますが、某大学薬学部の研究室で合成の 研究をしていて学生がアンフェタミンだということを知らずにそれを合成してしまった という話を聞いたからです。(これは教授が論文を書くときに気付いて警察のお世話にはならなかったそうですが。) 普通の人は、きっと薬学を研究している研究室内でアンフェタミンのことを知らない人間などいない から誰かが気付いて止めるだろうと考えますが、現実はこんなものです。
過去の天然物合成の論文をいくつか漁ってみれば毒物つくっている例がたくさんあるわけです。 研究室からアジ化ナトリウムが盗まれるこのご時世にも天然毒をつくっているところ はたくさんあります。盗まれる可能性とか考えているかどうかは分かりませんが。
大体、毒物劇物取扱責任者という資格があって我々化学および薬学系の学生はその資格 を大学を卒業するだけで得られるのですが、実際に規制されている物質がどんなもの なのかというのは知らない人が大多数と思われます。(これはアジ化ナトリウム事件のあとに 厳重管理の通達というのが来てリストを渡されて思い知らされました。)
一時期オウム真理教がサリンの合成を農薬を作っていたと言っていたことがありました が、その合成に従事していた信者達は本当に農薬をつくっていると思っていたのではないか と私は思っています。実際、化学系の学生でサリンのことを知っている人間は事件前には ほとんどいなかったと思います。
これらは自分達が扱っているものに対してあまりにも無知だということを示していると 思います。それで啓蒙の意味も込めて&自分自身の知識を増やすためにこういうページを作成したわけです。 さらに多くの人が毒物というものを知ることで毒物がしっかりと管理されるようになれば 毒物犯罪の抑止になる可能性もあるわけです。
また一般の人にも化学(より一般に科学)の二面性(結局使う人間次第で善にも悪にも なるということ)を知ってもらいたいという意味もあります。原子力だけに二面性があるわけではないのです。気象衛星を打ち上げるロケットも簡単に大陸間弾道ミサイルに転用できるのです。
さらに構造不明の毒を加えるようになった理由でもあるのですが、食中毒とかキノコ中毒とか、意外と一般の人も毒に接触する機会があるので、そういった身の回りにある危険な毒を知ってもらうのもよいのではないかと思ったわけです。
さらにこのページはYahoo!Internet Japanで紹介されました。この記事を見てきてくれた方々もいると思いますが、雑誌に載るということは一般の人にもこういう情報にニーズがあるということとこのページを一般の人に知らせても問題ないと判断されたと考えることもできます。
さて、確かにホームページは多くの人が見るものですが、かなり悪用しにくい様に 作成されているはずです。本当に悪用される様な情報(それこそ毒物の作り方とか 効率の良い抽出の仕方とか)は記述していませんし、今後も記述する気はありません。 参考にしている本は書いてありませんが、大きな書店なら売っているような雑誌など (具体的には月刊化学とか月刊現代化学とか化学大辞典とか天然物合成の本とかです。英語の本・論文は苦手なのでほとんど見ていません。) が主です。つまり一般の人が充分に入手しうる情報のレベルまでしか書いて無いとも言えます。
最近話題の盗聴法について反対する意見と似た考え方をすると、「本当に悪事をやろうと思う人間は盗聴対策ぐらい考えている。結局は多くの人間のプライバシーを侵害するだけだ。」→「本当に毒物を悪用しようとする人間はこのページの知識くらい持っている。結局は単に毒について好奇心を持っただけの人の知る権利を侵害するだけだ。」と言い換えられます。違う点は毒について知る権利を侵害されてもあまり(全然?)痛くないことです。
もっとも最近は覚醒剤の合成法とか書いてある本が出版されている様です。こんなこというのも何ですが、本当に悪用したい 人にはそちらの方がお勧めです。(ところで日本では発禁処分ってできるのでしょうか?自主回収というのしか聞いたことないですけど。)
意見の例:「薬物!ねこねこ大事典は続けたほうがよい。それは化学系の学生のためになるから。どうして学生のためになるかというと・・・・だから。」このように理由の理由くらいまで書いてくれると深い議論ができそうでうれしいね。