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2009/05/24(Sun)
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イソップ物語:北風とジャーナリスト(カッコワライ)宣言
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ある日、北風が太陽にいいました。 僕はこの力でどんなモノも吹き飛ばすことができるよ。
太陽はいいました。 なるほど君は力持ちだ。だけれど、やっぱり強いのはボクの方だよ。
そんなことはない。 いやボクが。 決着はようとしてつきません。 ふたりはどちらが強いか、実際に試すことでそれを決めることにしました。
見ればおりしも、ふたりの足元をひとりの旅人が歩いているところです。
どうだい太陽くん。彼の上衣をはぎ取った方が勝ちというのは? OKディールだ北風くん。それでいこう。 ふたりは勝負を始めました。
ではまず僕がいこう。この僕の風で吹けば、簡単なことさ。
北風が、こんしんの力を込めて息を吹きます。 身に染みる冷たい風が、旅人の行く手を阻みました。 しかしその風が強ければ強いほど、旅人は上衣をしっかりと抑え、身を縮めて歩くのでした。
まあまあ、北風くん。NEXTはボクの番だ。
太陽はそういって、ゆっくりと空で輝きはじめました。 そのぽかぽかとした光で、みるみると周囲が暖かくなってゆきます。
──なるほど。 それで旅人はたまらなくなり、服を脱ぐという訳ですね。 北風はゴリ押しをしようとした自分を反省し、力ばかりが解決方法ではないことを学ぶと。わかります。 おはなしを聞いていた僕がそういいました。
いいえ、違います。 おねえさんは即座にそれを否定しました。
旅人はよい耳をもっていたのです。 ふたりの会話を聞き、彼は太陽の力にも屈せずに服を脱ぎませんでした。 なぜなら、彼の自由意思を奪おうとしたという点に於いて、 ふたりの行使した力はどちらも本質的には暴力であったためです。
なるほど。 つまりヒトの意思こそが最も強いものであったということですね。わかります。 僕がいいました。
いいえ、違います。 おねえさんは即座にそれを否定しました。
北風が真に本気であったのならば、旅人はからだごとに吹き飛んでいたでしょう。 太陽が真に本気であったのならば、旅人は熱や渇きに焼け倒れていたでしょう。
真の暴力はヒトの全ての意思を簡単にはぎ取ることができます。 世界をみれば、わかりますね。 だから、ヒトは社会という互助世界を作ることで理不尽な暴力を少なくするようにしているのです。 わずかに減る程度でしかないのは、致し方ありません。 世界をみれば、わかりますね。
ですが、安易に暴力を選んではいけません。 それを使っていいのは、それで世界に対抗する覚悟を持ってからのことです。 あるいはそれをすら理解のできない獣が、レベルの低い暴力を使うのです。 まだ弱い私たちがおそれるべきは、 太陽のように自覚の無いまま、他人を傷つける人間となることではないでしょうか。
なるほど。 僕はいいました。なるほど。 おねえさんの目を見ます。そしてゆっくりといいました。
愛しています。
いや、脱ぎませんから。 おねえさんは上衣をしっかりと抑え、身を縮めました。 なんてことだ。
言葉は感情的で、残酷で、ときに無力だ。
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